悪女は果てない愛に抱かれる

「お前みたいな悪女、簡単に離してやるわけないだろ。憎くて憎くて、一生忘れそうにない」



ゆっくりと距離が顔が近づいた。


その瞳に、落ちて、落ちて。


堕ちた先は────罪の底。




「もう勝手にいなくなるな。離れるのは許さない」



優しいキスに心が激しく狂っていく。


わたしの全てがこの人のものだとわからせるように、静寂の中で鼓動が鳴り響く。


それは警鐘か。

それとも……───。


知ることは許されず。



ふたりきりの闇の世界で、




「約束しろ──あゆあ」



永遠に解けない呪いを掛けられた。





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