悪女は果てない愛に抱かれる

………え?


さっきまでひとりで資料読んでたのに?

ルリちゃんが話しかけたとき、わたしのこと見ようともしなかったのに?


他の幹部様方はさておき、観月くんにとってのモブZにはなれた、と思ったのに。

どう……して。



ルリちゃんも楓くんも遥世くんも、驚いた顔をしつつ。
この場では、やはり橘観月の言うことはゼッタイらしい。




「じゃあ……残念だけどここでお別れだね。観月さん、あゆ先輩のことよろしくお願いします」


そんなルリちゃんの声を最後に、わたしは部屋をあとにした。

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