悪女は果てない愛に抱かれる

わたしの存在を完全にないものとして本を読んでると思ってたのに……!



「……はい、ルリちゃんのひとつ上で、現在高2です」

「へえ。俺と同い年か」

「っ、そうですね……」



学年を確かめられた……。

まさか、尋問が始ろうとしてる?

やっぱり怪しまれてる……っ!?



そういえば、わたしは遥世くんから聞いて観月くんが同い年だと知っていたけれど。

わたしが知っていることを観月くんは知らないはずで……。


そうですねという相槌は、あなたのことは調べ尽くしているので知っていますよ、

……と捉えられてもおかしくないかも!?



「あっ……いや、観月くんも2年生なんですね!? 大人っぽいから、てっきり年上かなって思ってました……っ」


ちょっと、白々しすぎたかもしれない。
< 76 / 197 >

この作品をシェア

pagetop