悪女は果てない愛に抱かれる
「顔真っ赤だし……肌も熱い」
「や……違……」
ソファの背もたれによりかかっていた体がずるずると沈んでいく。
体温は間違いなく上がっている。
観月くんのせいで熱がぶり返すのを感じる。
相変わらず視線を逸らせない。
観月くんもまた、その瞳を決して逸らそうとしなかった。
まるで初めからお互がこうなることを望んでいたかのように少しずつ距離が縮まって、自然とまぶたが閉じられた。
「………ん、っ」
唇が重なる。
そのキスはさっきと同じようにやさしいけれど、やさしいだけじゃなかった。
一度離れたかと思うと、またすぐに奪われて、今度は深く重なり合う。
「んっ……ぁ」
気づいたときにはソファに完全に押し倒された状態で身動きが取れなくなっていた。
わたしを抑えつけていた手が、ゆっくりと輪郭をなぞりながら指先に絡む。
ひとつひとつの動きにこれでもかというほど胸が高鳴って、
このまま、壊れるんじゃないかと。
「──……観月くん……っ、」