二週間後の偽装彼氏~義兄の兄に溺愛?されています~
しかしすぐに、はっとした。
こんな、メイクも崩れた顔で、しかも近い距離で見つめ合ってしまった。
いろんな意味で恥ずかしい。
でも颯士の提案は魅力的だった。
確かに気持ちがまぎれるし、気分転換にもなるだろう。
このまま一人の自宅に帰るより、ずっと良いと思った。
「では……少しだけ、甘えます」
素直に受け入れる返事をした美璃に、颯士は、ふっと微笑んだ。
優しい表情が、さらに笑みで崩れる。
またしても美璃の視線を引き寄せてしまう表情だった。
「ああ。せっかくだから、海があるほうへ行こうか? 夜だから、あまりはっきりとは見えないだろうけどね」
そのとき信号も変わった。
颯士は前に視線を戻し、車を発進させる。
ここまでと違う、このあとのドライブのことなんて話になる。
美璃もただ、相づちを打って、受け答えした。
気持ちはすでに、もう何ミリか落ち着いていた。
これほど気遣ってもらえて、素直に嬉しいと思う。
たとえ、義理の兄だからこれほど親身にしてもらっているとはいえ、嬉しさと安堵で胸がいっぱいになることに、なにも変わりはなかったのだから。
こんな、メイクも崩れた顔で、しかも近い距離で見つめ合ってしまった。
いろんな意味で恥ずかしい。
でも颯士の提案は魅力的だった。
確かに気持ちがまぎれるし、気分転換にもなるだろう。
このまま一人の自宅に帰るより、ずっと良いと思った。
「では……少しだけ、甘えます」
素直に受け入れる返事をした美璃に、颯士は、ふっと微笑んだ。
優しい表情が、さらに笑みで崩れる。
またしても美璃の視線を引き寄せてしまう表情だった。
「ああ。せっかくだから、海があるほうへ行こうか? 夜だから、あまりはっきりとは見えないだろうけどね」
そのとき信号も変わった。
颯士は前に視線を戻し、車を発進させる。
ここまでと違う、このあとのドライブのことなんて話になる。
美璃もただ、相づちを打って、受け答えした。
気持ちはすでに、もう何ミリか落ち着いていた。
これほど気遣ってもらえて、素直に嬉しいと思う。
たとえ、義理の兄だからこれほど親身にしてもらっているとはいえ、嬉しさと安堵で胸がいっぱいになることに、なにも変わりはなかったのだから。