二週間後の偽装彼氏~義兄の兄に溺愛?されています~

昼休みのメッセ

 そして翌日。

 普段通り、会社に出勤した美璃は、昼休みにスマホを見て驚いた。

(颯士さんだ?)

 身内なのだから連絡先は知っていたけれど、彼から直接連絡を送ってこられたことは、今までなかった。

 大体、美香を通せば用は済んだのだから。

 それが、今。

(あ、ううん。偽装彼氏になってくれるって話だからだよね。きっとその関連で……)

 なんとなく浮足立つような気持ちを感じてしまい、美璃は慌てて自分に言い聞かせた。

 実際、それしか理由はないと思う。

(でもやっぱり、気遣ってもらえるのは嬉しいな)

 その気持ちは素直に感じていいのだろうと思ったので、美璃は表情がわずかに笑みになれたのを感じた。

 会社では、最近居づらかったのだ。

 もちろん、身に覚えのない容疑をかけられたためだ。

 懲罰解雇とまではいかない予定だと言われている。

 だが『大きなミスをした』と言われてしまったのは確かなのだ。

 直接、美璃になにか言ってくるひとは今のところいないものの、うわさは巡っているようで、時折変な視線が向くのを感じている。

 あんな話を聞けばそう反応して当然か、と思いつつも、やはり消化不良だし、単純に悲しくも思ってしまう。

 それはともかく、今はこのメッセージだ。
< 24 / 68 >

この作品をシェア

pagetop