二週間後の偽装彼氏~義兄の兄に溺愛?されています~
がばっと勢いよくしがみつく。
苦しげながら、少し甘えるような声も出た。
しかし数秒後、すぐに気付いた。
普段、美璃を抱きとめてくれるひととは感触が違う。
まず、やわらかくない。
体はしっかりと硬く、厚みがあった。
おまけにふわりと漂ったのも、爽やかな柑橘系の香り。
知らない感触だけど、その体からは、優しいぬくもりが伝わってくる。
どきん、と美璃の胸が跳ねた。
これは、もしかして……。
「美璃ちゃん? どうしたの?」
上から降ってきたのは、戸惑った声。
もちろん美璃が思ったような、姉の声ではない。
低いながらもやわらかな響きを帯びた声は、姉のものではないが、一応知っているものではある。
ただし、これほど至近距離で聞いたことは今までない。
「ひゃぁぁ!? お、大義兄さん!?」
かっと体が熱くなった。
驚きに変な声が出てしまう。
目を真ん丸にし、もはや涙も途切れた美璃の肩に、あたたかいものが乗った。
大きな厚い手が、美璃の肩を優しく包む。
「ごっ、ごめんなさい……!」
美璃はやっと謝った。
美璃の肩を抱いて、そっと支えてくれた相手……。
姉の夫……の、兄。
普段「大義兄さん」と呼んでいる、義兄の兄である、百野 颯士に向かって。
苦しげながら、少し甘えるような声も出た。
しかし数秒後、すぐに気付いた。
普段、美璃を抱きとめてくれるひととは感触が違う。
まず、やわらかくない。
体はしっかりと硬く、厚みがあった。
おまけにふわりと漂ったのも、爽やかな柑橘系の香り。
知らない感触だけど、その体からは、優しいぬくもりが伝わってくる。
どきん、と美璃の胸が跳ねた。
これは、もしかして……。
「美璃ちゃん? どうしたの?」
上から降ってきたのは、戸惑った声。
もちろん美璃が思ったような、姉の声ではない。
低いながらもやわらかな響きを帯びた声は、姉のものではないが、一応知っているものではある。
ただし、これほど至近距離で聞いたことは今までない。
「ひゃぁぁ!? お、大義兄さん!?」
かっと体が熱くなった。
驚きに変な声が出てしまう。
目を真ん丸にし、もはや涙も途切れた美璃の肩に、あたたかいものが乗った。
大きな厚い手が、美璃の肩を優しく包む。
「ごっ、ごめんなさい……!」
美璃はやっと謝った。
美璃の肩を抱いて、そっと支えてくれた相手……。
姉の夫……の、兄。
普段「大義兄さん」と呼んでいる、義兄の兄である、百野 颯士に向かって。