二週間後の偽装彼氏~義兄の兄に溺愛?されています~
「美璃ちゃんは落ち着いた色が似合うよね。このマカロンピンクとかどうだろう?」
颯士は積極的にあれこれ見はじめた。
前向きなことを提案してくれる。
並んでいるのは、どれもとても洗練されたかわいらしい服だったけれど、もちろん美璃にはしゃぐ余裕はない。
「か、かわいいと……思いますけど……」
なんとか相づちを打つのが精一杯になってしまったのに、颯士と店員はにこやかに会話していた。
「かわいらしさもありつつ、大人っぽい印象のものがいいんです。正式なパーティーなので」
「かしこまりました。それでしたら、お色は明るいものをお選びになって、スカート丈を膝上ほどの長さに……」
自分のことを話されているのに、これまた喜んで話に加われる心境ではない。
美璃は目を白黒させるしかなかった。
それで結局、美璃がなんとか理性を動員させて選んだ色とデザインをベースに、店員がアドバイスを加えて、やがて一着のドレスが選び出された。
「では、ごゆっくり」
試着室に入れられた美璃に、店員がドレスを渡してくる。
美璃は「はい……」と答えるしかなかった。
颯士は積極的にあれこれ見はじめた。
前向きなことを提案してくれる。
並んでいるのは、どれもとても洗練されたかわいらしい服だったけれど、もちろん美璃にはしゃぐ余裕はない。
「か、かわいいと……思いますけど……」
なんとか相づちを打つのが精一杯になってしまったのに、颯士と店員はにこやかに会話していた。
「かわいらしさもありつつ、大人っぽい印象のものがいいんです。正式なパーティーなので」
「かしこまりました。それでしたら、お色は明るいものをお選びになって、スカート丈を膝上ほどの長さに……」
自分のことを話されているのに、これまた喜んで話に加われる心境ではない。
美璃は目を白黒させるしかなかった。
それで結局、美璃がなんとか理性を動員させて選んだ色とデザインをベースに、店員がアドバイスを加えて、やがて一着のドレスが選び出された。
「では、ごゆっくり」
試着室に入れられた美璃に、店員がドレスを渡してくる。
美璃は「はい……」と答えるしかなかった。