二週間後の偽装彼氏～義兄の兄に溺愛？されています～
　そのあとはまたドライブして、都内の中心部へ戻り、夜はディナーを摂った。

　ドレスを選んでくれたときのことから予想していたけれど、颯士に連れていかれたのはもちろん高級ホテルだった。

　最上階のレストランで豪華なディナーを食べることになったが、もう颯士と恋人関係として振る舞うのにも慣れてきた美璃は、だいぶ落ち着いていた。

　ホテルディナーというのは人生でまだ数回しかしたことがなかったし、そのときのお店よりずっと高級だ。

　ゆえに戸惑いはあったけれど、窓の外の美しい夜景も楽しめたし、料理も同じだった。

　豪華なディナーは、フランス料理。

　美璃は食べたことがないメニューも多くて、颯士がひとつずつ、名前や発祥を説明してくれた。

　それを聞きながら味わう料理は、とても美味しかった。

　実際に質が良く、丁寧に作られていたのもあるけれど、一番はきっと、向かいで優しい笑みを浮かべながら一緒に食べてくれたのが颯士だったから。

　そのためなのだと、食べ終えてレストランを出るとき、美璃は心から噛みしめてしまった。
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