二週間後の偽装彼氏~義兄の兄に溺愛?されています~

いよいよパーティー

 そして当日。

 美璃はどきどきしながらドレス一式を持ってヘアサロンへ向かい、支度をしてもらった。

 頼んだのは、通いのヘアサロンだ。

 一室で着替えをさせてもらって、綺麗に着られたあとは、まずメイクから。

 スタッフも顔なじみなので、「パーティーなんて素敵ですね!」と明るく話をしながら、美璃を美しく仕上げてくれた。

 メイクはドレスと同じ、ピンクとゴールドをベースに施してもらう。

 ピンクのアイシャドウの上に、ゴールドのラメを散らして華やかに。

 リップもピンク色で、上にグロスを重ねてぽってりさせる。

 髪は編み込みを加えたハーフアップにして、下ろした部分は軽く巻かれた。

 結び目に颯士から贈られた髪飾りを着けてもらったら、完成だ。

「佐上さん、すごく素敵ですよ!」

 小一時間で完成したスタイルを見て、スタッフも顔を輝かせる。

 それほどドレスアップした美璃の姿は素敵だった。

 姿見で確認した美璃本人も、驚いてしまったほど。

 でも、この素敵な姿になれたことで、確信する。

 きっと今日は上手くやれる。

 適切に振る舞えるし、もう傷つくこともないだろう。

 自信をしっかり持てた美璃を、スタッフが「楽しんでくださいねー!」と、大きく手を振って送り出してくれた。
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