二週間後の偽装彼氏~義兄の兄に溺愛?されています~
すべての告白
「お疲れ様、美璃」
会場を出て、しばらく歩き、颯士が立ち止まったのは廊下突き当たりの、バルコニー近くだった。
美璃を振り向き、にこっと笑ってくる。
「う、ううん……あの……」
でも美璃は戸惑いの声を出すしかない。
悪事がすべて明るみに出て、これできっと自分にかかった疑惑も払拭されるのだろうけれど、今は喜ぶよりも、いきなり知ってしまった驚きが強い。
「ごめん、驚かせたよな」
美璃の心境はわかっている、とばかりに颯士は苦笑の表情になる。
まったく悪くないのに、謝ってくれた。
「だけど、いい機会だと思ったんだ」
しかし次にはそう続いた。
美璃はなにか言おうと思ったのを、引っ込める。
「美璃が陥れられたままになるなんて、許せなかった。俺の大切な身内で、妹のような存在なのに」
硬い口調で言った颯士に、美璃は息を呑む。
今日のことは、すべて事前に計画していたのだろう。
そして今日、この『いい機会』に、すべてを明らかにしてくれた……。
会場を出て、しばらく歩き、颯士が立ち止まったのは廊下突き当たりの、バルコニー近くだった。
美璃を振り向き、にこっと笑ってくる。
「う、ううん……あの……」
でも美璃は戸惑いの声を出すしかない。
悪事がすべて明るみに出て、これできっと自分にかかった疑惑も払拭されるのだろうけれど、今は喜ぶよりも、いきなり知ってしまった驚きが強い。
「ごめん、驚かせたよな」
美璃の心境はわかっている、とばかりに颯士は苦笑の表情になる。
まったく悪くないのに、謝ってくれた。
「だけど、いい機会だと思ったんだ」
しかし次にはそう続いた。
美璃はなにか言おうと思ったのを、引っ込める。
「美璃が陥れられたままになるなんて、許せなかった。俺の大切な身内で、妹のような存在なのに」
硬い口調で言った颯士に、美璃は息を呑む。
今日のことは、すべて事前に計画していたのだろう。
そして今日、この『いい機会』に、すべてを明らかにしてくれた……。