邪竜の鍾愛~聖女の悪姉は竜の騎士に娶られる~
セレナは自分の魔法が負けるとは思っていなかったのだろう。
ミリエルだって、自分がセレナの魔法を防げるとは思わなかった。
「どういうことだ」という声が地上から聞こえてくる。
「聖なる魔法で聖女様が敗れるだと……!?」
「そもそも、あれは邪心なくしては発動もしない攻撃魔法じゃないか?」
「悪姉のほうが使った魔法、盾の魔法だろう? あんなに大きな盾、見たこともないぞ……?」
口々にそう続ける地上の人々は、次第にセレナへ疑いの目を向ける。そこには、セレナの魅了魔法にかかっていただろう護衛たちの姿もあった。
──大丈夫? ミリー。
「ユアン」
──動転している人間には魅了魔法も通じない。安心して、みんな、もうあの女の支配からは抜け出してる。全員、正しいものを見られるはずだよ。
「ただしい、もの?」
ミリエルのつぶやきに、ユアンが竜の顔で頷く。
その言葉を不思議に思って、ミリエルが聞き返そうとした、その時。
「セレナ! 君は今、いったい何をした……!」
ミリエルだって、自分がセレナの魔法を防げるとは思わなかった。
「どういうことだ」という声が地上から聞こえてくる。
「聖なる魔法で聖女様が敗れるだと……!?」
「そもそも、あれは邪心なくしては発動もしない攻撃魔法じゃないか?」
「悪姉のほうが使った魔法、盾の魔法だろう? あんなに大きな盾、見たこともないぞ……?」
口々にそう続ける地上の人々は、次第にセレナへ疑いの目を向ける。そこには、セレナの魅了魔法にかかっていただろう護衛たちの姿もあった。
──大丈夫? ミリー。
「ユアン」
──動転している人間には魅了魔法も通じない。安心して、みんな、もうあの女の支配からは抜け出してる。全員、正しいものを見られるはずだよ。
「ただしい、もの?」
ミリエルのつぶやきに、ユアンが竜の顔で頷く。
その言葉を不思議に思って、ミリエルが聞き返そうとした、その時。
「セレナ! 君は今、いったい何をした……!」