邪竜の鍾愛~聖女の悪姉は竜の騎士に娶られる~
ユアンは、そんなミリエルを見て、まぶしそうに目を細めた。
「ずっと、君がそう思ってくれるのを望んでいた。僕は君よりずっと前から君を愛していて、告白だって僕からするつもりだったけれど、でも、ミリーはただ僕が愛を告げても信じないだろう」
ユアンだけが呼ぶ、ミリエルの愛称が耳朶を打つ。ユアンの騎士たるたくましい腕がミリエルを抱きしめ、あたたかく包み込んだ。
そうされると、ミリエルの小柄な体はユアンの黒いマントの中にすっかり隠れてしまう。
ユアンの、森の中にいるような匂いに全身を包まれて、ミリエルは浅くしか息ができなかった。
「そんな、ことは」
「ミリー、僕の目を見て」
ユアンの、やわらかな声が降ってくる。
炎色の瞳と目が合って、ミリエルはいつの間にか涙に濡れていた目に力を込めた。
ユアンの、炎の目。赤い、あたたかな色。なんてきれいなんだろう。
「僕はミリーが好きだ。愛している」
「ユアン……」
「だから君が、この告白を限りに、僕から離れていこうとしていた、ということも、わかっているんだよ」
ひゅ、と音を立てて、ミリエルの呼吸が止まった。
空に輝く三日月が雲に隠れて、あたりが暗くなる。
「ずっと、君がそう思ってくれるのを望んでいた。僕は君よりずっと前から君を愛していて、告白だって僕からするつもりだったけれど、でも、ミリーはただ僕が愛を告げても信じないだろう」
ユアンだけが呼ぶ、ミリエルの愛称が耳朶を打つ。ユアンの騎士たるたくましい腕がミリエルを抱きしめ、あたたかく包み込んだ。
そうされると、ミリエルの小柄な体はユアンの黒いマントの中にすっかり隠れてしまう。
ユアンの、森の中にいるような匂いに全身を包まれて、ミリエルは浅くしか息ができなかった。
「そんな、ことは」
「ミリー、僕の目を見て」
ユアンの、やわらかな声が降ってくる。
炎色の瞳と目が合って、ミリエルはいつの間にか涙に濡れていた目に力を込めた。
ユアンの、炎の目。赤い、あたたかな色。なんてきれいなんだろう。
「僕はミリーが好きだ。愛している」
「ユアン……」
「だから君が、この告白を限りに、僕から離れていこうとしていた、ということも、わかっているんだよ」
ひゅ、と音を立てて、ミリエルの呼吸が止まった。
空に輝く三日月が雲に隠れて、あたりが暗くなる。