邪竜の鍾愛~聖女の悪姉は竜の騎士に娶られる~
ユアンが、ぞっとするほど冷たい氷のような声を落とす。
ミリエルは否定も肯定もできないまま、ユアンから離れようとユアンの腕をほどき一歩後ずさった。
けれど、その一歩を詰めて、ユアンはより一層強くミリエルを抱きなおす。
離すまいとでもいうように、しかと。
「ユアン、離して。こんなところ誰かに見られたら」
「離さない。君がそう言うのは、これ以上奪われたくないからだ。なら僕は、君からこれ以上、何も奪わせない。なにからも守る。僕のミリエル──僕だけのミリー。そして僕は、ミリーだけのものだ」
ユアンの力強い言葉に、ミリエルが目を見開く。仰いだ拍子にユアンの炎色の目と真っ向から視線が混ざり合う。
その瞳は炯々と輝いていて、ミリエルにユアンの本気を否応なしに理解させた。
「ユアン」
「ミリー、信じて」
そんな風に見つめられて、愛されてしまえば、もうだめだった。溢れそうだった恋心が決壊して、迷いも何もかもを押し流していく。
ミリエルは恐る恐るユアンの胸に手を添えた。その手をしっかりと握られて、ぴたりとユアンの胸に当てられる。
ミリエルは否定も肯定もできないまま、ユアンから離れようとユアンの腕をほどき一歩後ずさった。
けれど、その一歩を詰めて、ユアンはより一層強くミリエルを抱きなおす。
離すまいとでもいうように、しかと。
「ユアン、離して。こんなところ誰かに見られたら」
「離さない。君がそう言うのは、これ以上奪われたくないからだ。なら僕は、君からこれ以上、何も奪わせない。なにからも守る。僕のミリエル──僕だけのミリー。そして僕は、ミリーだけのものだ」
ユアンの力強い言葉に、ミリエルが目を見開く。仰いだ拍子にユアンの炎色の目と真っ向から視線が混ざり合う。
その瞳は炯々と輝いていて、ミリエルにユアンの本気を否応なしに理解させた。
「ユアン」
「ミリー、信じて」
そんな風に見つめられて、愛されてしまえば、もうだめだった。溢れそうだった恋心が決壊して、迷いも何もかもを押し流していく。
ミリエルは恐る恐るユアンの胸に手を添えた。その手をしっかりと握られて、ぴたりとユアンの胸に当てられる。