エリート外交官は溢れる愛をもう隠さない~プラトニックな関係はここまでです~
現在進行形でお酒を飲んでいるというのに、やたらと喉が渇く。私はごく、とりんご味のそれを多めに飲み込むと、【アルコール分7%】と書かれた缶をローテーブルに置いた。
「朔夜さん……」
「ん?」
勇気を振り絞って、空いている距離を詰めた。
朔夜さんは少し驚いた顔をしたものの、すぐ隣に来た私を嫌がることもなく、優しい声音で反応してくれる。
『ソファとかで隣に座ったときいつもよりくっついてみるとか? お酒飲んで『酔っちゃった♡』って言ってしなだれかかるとか?』
昼間成美が放った言葉が、アルコールで少し鈍くなった頭の中をぐるぐると回る。
緊張で震えそうになりながら、私は思いきって、朔夜さんの左腕に自分の頭をもたれさせた。
「よ、酔っちゃった……かな……」
アドバイス通りのセリフを、なんとかつぶやく。ドキドキしすぎて、心臓が破裂しそうだ。
しかし数秒経ってもなんの反応も返ってこないので、ちらっと朔夜さんを上目遣いにうかがってみる。
朔夜さんは、私を凝視したまま固まっていた。
あまりに硬直しているからちょっと心配になって、彼の顔を覗き込む。
「朔夜さん?」
「えっ? あ、ああ……そうか、酔ったなら、水持ってくるか?」
若干しどろもどろしつつ、朔夜さんが尋ねてきた。
……優しい……好き……。
アルコールで緩くなった思考回路が、素直に彼への好意で埋めつくされる。
そのふわふわとした感情に後押しされるように、私は今まで我慢してきたのを忘れ、思う存分じっくり彼の顔を眺める。
「陽咲?」
私に見つめられた朔夜さんが、困ったように名前を呼ぶ。
そんな表情もかっこいい。少し、頬が赤い? もしかして、照れてる?
それならうれしい。かわいい。ああ、ほんとにかっこいいな。中身はもちろんだけど、朔夜さんの顔も、すごく好きなの。きれい。だいすき。
ぼうっとなりながら、ルームウェアのファスナーに手をかけた。
「朔夜さん……」
「ん?」
勇気を振り絞って、空いている距離を詰めた。
朔夜さんは少し驚いた顔をしたものの、すぐ隣に来た私を嫌がることもなく、優しい声音で反応してくれる。
『ソファとかで隣に座ったときいつもよりくっついてみるとか? お酒飲んで『酔っちゃった♡』って言ってしなだれかかるとか?』
昼間成美が放った言葉が、アルコールで少し鈍くなった頭の中をぐるぐると回る。
緊張で震えそうになりながら、私は思いきって、朔夜さんの左腕に自分の頭をもたれさせた。
「よ、酔っちゃった……かな……」
アドバイス通りのセリフを、なんとかつぶやく。ドキドキしすぎて、心臓が破裂しそうだ。
しかし数秒経ってもなんの反応も返ってこないので、ちらっと朔夜さんを上目遣いにうかがってみる。
朔夜さんは、私を凝視したまま固まっていた。
あまりに硬直しているからちょっと心配になって、彼の顔を覗き込む。
「朔夜さん?」
「えっ? あ、ああ……そうか、酔ったなら、水持ってくるか?」
若干しどろもどろしつつ、朔夜さんが尋ねてきた。
……優しい……好き……。
アルコールで緩くなった思考回路が、素直に彼への好意で埋めつくされる。
そのふわふわとした感情に後押しされるように、私は今まで我慢してきたのを忘れ、思う存分じっくり彼の顔を眺める。
「陽咲?」
私に見つめられた朔夜さんが、困ったように名前を呼ぶ。
そんな表情もかっこいい。少し、頬が赤い? もしかして、照れてる?
それならうれしい。かわいい。ああ、ほんとにかっこいいな。中身はもちろんだけど、朔夜さんの顔も、すごく好きなの。きれい。だいすき。
ぼうっとなりながら、ルームウェアのファスナーに手をかけた。