孤独な強面天才外科医は不自由な彼女を溺愛したい
「白哉が〝人殺し〟って呼ばれていることは知ってる?」

「はい、入院もしてたので」

 碧人は「だよね」と苦笑した。

「その噂のせいで、白哉は表に出づらくてね。手術に必要な事前説明、事後説明の時くらいしか患者とは関わらない。その後の経過観察とかは、他の医師にバトンタッチしてる」

「あの!」

 杏依は口を開かずにはいられなかった。高飛車な医者だと思っていたけれど、この間のせいで印象が変わったから。

「〝人殺し〟っていうのは、あくまで噂なんですよね?」

「さあ?」

 碧人は意地悪く笑った。そこは話せない、ということか。
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