孤独な強面天才外科医は不自由な彼女を溺愛したい
 白哉は杏依の隣に座った。

「どうした?」

 突然優しい笑みを向けられ、杏依は戸惑った。

「あ、あの! これ、この間助けていただいたお礼です!」

 慌てて菓子折りを差し出した。

「サンキュ」

 白哉はふっと優しい笑みを零す。杏依の心臓はおかしいくらいに高鳴った。

 どうしちゃったの、私!

 伸びてきた右手が頭を撫でようとする。杏依は思わずさっと避けた。

「あ、あと、お身体気をつけてくださいね! ずっとオペ続きって聞きました」

「オペ続きはいつものことだから、気にすんな」

 けれど、逃れきれずに頭に大きな手が乗る。顔が熱いのは、外の気温のせいだけじゃない気がする。
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