孤独な強面天才外科医は不自由な彼女を溺愛したい
受付に着くと、見知った顔があった。
碧人に連れて行かれた忌々しい合コン現場で、杏依の隣に座っていた、彼女の元同僚だ。
彼女も白哉に気付いたようで、「あ、どうも!」と明るく挨拶された。
「その花束、杏依先生にですか? 素敵ですね、そっか二人付き合ってたんですね」
「え、あ、いや……まあ、はい」
否定するのもややこしい。白哉は一瞬考えたけれど肯定し、目の前の花束を愛でた。
ピンク色のガーベラとカーネーション。見ていると自然に頬がにやけてしまい、そのことに気付いて慌てて表情筋を引き締めた。
「出演者への贈り物はこちらでお預かりしてるんですけど、杏依先生にはあなたから直接渡してあげてください。そのほうが、彼女も喜ぶでしょうから」
自分の頬は自然ににやけてしまうけれど、相手にニヤつかれるのはあまりいい気分がしない。
「はい」と短く答え、白哉はもう少しで終わるという一部の演奏を、ロビーで聴きながら待った。
碧人に連れて行かれた忌々しい合コン現場で、杏依の隣に座っていた、彼女の元同僚だ。
彼女も白哉に気付いたようで、「あ、どうも!」と明るく挨拶された。
「その花束、杏依先生にですか? 素敵ですね、そっか二人付き合ってたんですね」
「え、あ、いや……まあ、はい」
否定するのもややこしい。白哉は一瞬考えたけれど肯定し、目の前の花束を愛でた。
ピンク色のガーベラとカーネーション。見ていると自然に頬がにやけてしまい、そのことに気付いて慌てて表情筋を引き締めた。
「出演者への贈り物はこちらでお預かりしてるんですけど、杏依先生にはあなたから直接渡してあげてください。そのほうが、彼女も喜ぶでしょうから」
自分の頬は自然ににやけてしまうけれど、相手にニヤつかれるのはあまりいい気分がしない。
「はい」と短く答え、白哉はもう少しで終わるという一部の演奏を、ロビーで聴きながら待った。