孤独な強面天才外科医は不自由な彼女を溺愛したい
「白哉さんですが、傷はある程度深かったのですが、刃物に異物もついていなかったことから、問題なく処置を終えることができました。幸い、レントゲンでも異常なし。さすが、白哉だよね」

 碧人はくすくす笑いながら、白哉の顔を覗いた。

「先ほど本人にもお話しましたが、一ヶ月程度は安静にして、仕事もお休みするように。通院しながら様子を見て、復職の時期を決めましょう」

 そこまで言うと、碧人は杏依の方を向いた。
 キョトンとしていると、碧人はもう一度白哉に向き直り、頬をニヤつかせる。

「白哉、何でそんなに不服そうなのさ」

「『俺の執刀予定(オペ)代わる』代わりに、お前にすげぇもん要求されそうだから」

「……彼女、とか?」

 碧人がチラリと杏依を見た。
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