両隣を真面目×不良な双子にはさまれた私は運命をうらんでます!

生徒会見学


「では、今期第三回となる生徒会役員会を始めます」


 奏空くんが声を張る。私は隣で目をキョロキョロさせていた。


「今回はなんと、同じクラスの成田さんが見学にきてくれましたー」


 奏空くんが私の方へ手を添えると、7人いる生徒会メンバーの視線がいっきに集まった。


「二年一組、成田悠乃です。今日は、け、見学させてもらいにきました。よろしくお願いします!」


 緊張したのは最初だけで、その後は徐々に慣れてきた。

 堅そうなイメージがあった生徒会だけど、思った以上に和気あいあいとやっていて印象が変わった。


「成田さんっていつもテストの順位で上位にいるよね。一回話してみたかったんだ」

 副生徒会長の女子生徒に声をかけられた。初めて会ったのに向こうは私のことを知っていたみたい。


 あの順位表ってけっこう見られてるんだ……。一番上じゃなければ誰も見てないと思ってたのに。


 私は自分が思ってる以上に目立ってることに戸惑った。

 こうして、生徒会見学は終わった。



「すっかり遅くなっちゃった」
 
 生徒会見学が終わって帰ろうとしたら、忘れ物があったため教室へ戻った。

 生徒会室にはまだ奏空くん含めて何人かは残っていたが、私は先に帰らせてもらった。



 教室へ戻ると、残ってる生徒が一人いた。


 天音くん……。


 夕暮れの教室で天音くんが一人、席に座っていた。思わず胸が躍る。


「天音くん、どうして──」

「おかえり、戻ってくると思ってた」
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