両隣を真面目×不良な双子にはさまれた私は運命をうらんでます!
奏空の告白
「あ、ごめん──」
奏空くんと話してるのに天音くんのことばかり気にしてる私、最低だ。
でも、気になるものはしょうがない。
「私ちょっと天音くん探してくる」
私はそう言って席を立った。
すると奏空くんの両手がすっと伸びてきて、私の右手をそっと握ってきた。奏空くんの手はとても暖かかった。
「悠乃ちゃん、生徒会がどうとかまわりくどいことばかり言ってごめん。本気で言うよ。おれのそばにずっといてほしい。好きだから」
えっと、これって……。
これって告白……だよね。
私は目を白黒させるのに忙しかった。じわり体温が上がっていく。
「……おれじゃダメかな?」
その時、カフェのドアがカラン、と音を立てる。
「悠乃!」
ハッとして、声の方を見た。
「探したぜ、悠乃。ここだったか」
「天音くん、どうして……」
奏空くんは私の手を握っていた両手をひっこめた。
「天音……なんでここに」
「奏空……それはこっちのセリフだ。悠乃と何してんだよ」
「違うの天音くん、私が迷子になってたら奏空くんが心配してくれて、ここで休ませてくれてたの」
「ふーん、そうなのか?」
天音くんは私ではなく奏空くんに問いただす。その表情は固い。奏空くんも同様で、この場の雰囲気はピリついている。
「それで、私のスマホ充電切れてたから、奏空くんが代わりに天音くんに連絡してくれて、二人で待ってたんだよ」
会話をつなぐ私。
「……連絡は来てねーよ。俺は自力でここを見つけたんだ」
「えっ、そうなの!?」
奏空くんを見ると、彼はすぐに私から目をそらした。
「SNSをエゴサしたら、俺が女とこの店に入るのを見たって書き込みがあったからな。それでピンときた。これは奏空のことだって。悠乃ちゃんは奏空といるんだなって」
奏空くんはずっと黙り込んでいた。
「奏空、わりぃけど悠乃は連れてくぜ」
天音くんはそう言って近づいてくると、私の右腕をつかんできた。
「悠乃、行こ」
すると、今度は奏空くんが左手をつかむ。
「悠乃ちゃん、さっきの返事は……?」
私はまた、二人に引っ張られる形になった。