両隣を真面目×不良な双子にはさまれた私は運命をうらんでます!

返事

 
 金曜日の放課後。

 奏空くんは、何も言わずに真っ先に教室を出ていった。生徒会室へ行くのだろう。

 私は机の引き出しを確認して、リュックを背負い席を立つ。

 天音くんを横目で見ると、こちらを見ずに席でじっとしてる。

 横顔からは何を考えているかはわからない。

 私は何も言わずに教室を出て、奏空くんを追いかけた。



 廊下を走っていると、一人歩いている奏空くんの背中に追いついた。


「悠乃ちゃん!」

「奏空くん……」


 パッと笑顔を見せる奏空くん。


「来てくれたんだね。よかった」


 私は少し息を整えてから、言葉を選んだ。


「奏空くん、ありがとう」

「ん……うん」


 何かを察したのか、表情を曇らせる奏空くん。


「誘ってくれてありがとう。でも、生徒会には入れません」


 一瞬の沈黙。だけどすごく長く感じた。


「それは……告白の返事も兼ねてるってことでいいのかな」


 私はこくりとうなずいた。


「そっか、わかった。じゃあ、これからもよきライバルでいてほしい。成績抜かされないようににおれも頑張るから」


 さっきの曇った顔がウソのように、とてもさわやかに微笑んでくれる奏空くん。


「うん!」

「悠乃ちゃん、もう行かなきゃでしょ」

「ありがと」


 私は踵を返し、急いで教室へと走った。



 運命の答えが待つ教室へ──。
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