元カノ〜俺と彼女の最後の三ヶ月〜
「覚えてないんだー……。
付き合ってくれる? って訊いたら、いいよって、言ってくれたのに……」
「えぇっ!? 俺、そんなこと言ったの? マジで?
いや、でも、俺いま、そういう気ないからさー」
言いながら、俺は昨晩のカラオケの席で、朋美と二人きりになったのを、おぼろげながら思いだした。
あん時か、ひょっとして。
なに話したかなんて、よく覚えてねーし……テキトーに話合わせてたのは事実かも。
その場は、互いに仕事中ということもあって、笑ってごまかして、しのいでおいたのだけど。
執拗な朋美のアプローチに根負けして、結局、付き合うことにしてしまった。
───が。