元カノ〜俺と彼女の最後の三ヶ月〜
4.
信じられない思いで、けれど、妙に静の声が聞きたくなった俺は、着信履歴に残ったそこへ、かけた。
「もしもし?」
久しぶりに耳元で聞いた静の声に、緊張しながらも、さりげなく口を開く。
「あ、俺。電話くれたよね?」
「うん。……ごめん、迷惑だった?」
「んなワケ、ないじゃん。ちょっとびっくりはしたけどさ」
「そっか、良かった。少し、話していい?」
落ち着いた、やわらかな声。
わずかに甘さを含む、抑揚のある話し方。
そう言って静は、他愛もない話をいくつかしたあと、突然、訊いてきた。
「彼女できた?」
と。