元カノ〜俺と彼女の最後の三ヶ月〜
1.
大根足っていうけど、マジで大根みたいに白くて太いよな、コイツの足。
市内の女子高校に通う、佐藤倫子の制服のスカートから伸びた足を目の端に映しながら、俺は、『低脂肪牛乳』と書かれたそれを並べていた。
倫子は、俺の勤めているスーパーのレジで、アルバイトをしている子だ。
「……だいたい桜井さんて、冷たいんですよ。だから駄目になっちゃうんです。
お似合いだと思ってたのに……」
今日は、確か『神紋』で飲み会あるんだよな。
けど、給料日前で金欠だしな。
お袋に言って、前借りでもすっかなー……。
「もう! 聞いてるんですか!?
そんなんじゃ、これから先、また誰かと付き合っても、同じことの繰り返しですよ!」