元カノ〜俺と彼女の最後の三ヶ月〜
「嫌いになって別れたんじゃないんでしょ、桜井くんの方としては。
向こうから連絡あったりすれば、やっぱり、会いたくなるんじゃないの?」
騒がしいファミレスで、俺たちの座る一角だけが、急に温度が下がった気がした。
「何……言ってんだよ。いま、俺、お前と付き合ってるじゃん」
言いながら、そこで初めて実感する。
傍から見れば、俺のやってることって、二股以外のなにものでもないんだと……。