元カノ〜俺と彼女の最後の三ヶ月〜
6.
そうして俺は彼女と一緒に、親父の事務所で缶チューハイを呑んでいるわけだ。
車の中で話された涙のワケは、十年来の親友とのことで。
……俺にいわせれば、泣くほどのことではないように思えた。
「──彼女、私のこと、変わったっていうの。
別れた男と、こんな風に付き合ってることを肯定しまう、そういう考え方をね。
それも、なじるような言い方じゃなくて……でも、なんだか見放されたって気がして……。