元カノ〜俺と彼女の最後の三ヶ月〜
8.
「それでも、いい?」
静は、俺が今まで見たこともないような、艶やかな微笑みを浮かべている。
「ちょっと待った! キャラクター、違うよ? そんな人じゃないでしょ、静は」
予想もしなかった事態に、おののく。
静は、もっと物分かりのいい女だったはずで……。
可愛いワガママは言っても、人を傷つけるようなことは、しない人間だと思っていた。
けれども俺の言葉に悪びれる様子もなく、静はにっこりと、笑みを深めた。