元カノ〜俺と彼女の最後の三ヶ月〜
毎度のくせで思わず言ってしまった俺だけど。
正直、疲れているのは、俺の方だった。
静はシートベルトを外しかけ、ふとためらい、それから一気にそれを外した。
沈黙。
さっきまで、あっけらかんと話していたくせに、急に押し黙っている。
「───静?」
呼びかけても反応せず、静はドアを開け、そのまま車を降りた。
助手席に俺が身を乗りだしかけた瞬間、
「バイバイ」
短い言葉を残し、静がドアを勢いよく閉めた。