星屑のプロミス-君と紡ぐ、青春の1ページ-

転校生、拓海の秘密

図書館の隅っこにある小さなテーブルで、

美月はユカと共に宿題を始めた。

ふと目を上げると、

拓海が本棚の間を彷徨っている姿が目に入った。

彼はどうやら特定の本を探しているようだったが、

なかなか見つからない様子。

美月は彼が何を探しているのか気になり、

ユカに


「ちょっと見てくるね」


と告げて、

拓海のもとへと歩み寄った。



「何かお探しですか？」


美月が声をかけると、

拓海は少し驚いた表情を見せたが、

すぐに穏やかな笑顔に変わった。


「あ、はい。

天文学に関する本を探してるんですが、

なかなか…」


彼の言葉を聞いて、

美月の目が輝いた。

天文学は彼女の隠れた趣味の一つだったからだ。


「天文学ですか！

私も星を見るのが好きなんです。

良かったら、

おすすめの本、

いくつか知ってますよ」


と言いながら、

美月は拓海を天文学のコーナーへと案内した。

彼女は手慣れた様子で何冊かの本を拓海に勧める。

拓海はそれぞれの本を手に取り、

感謝の意を示しながら内容を確認した。



その中で、

特に彼の興味を引いたのは『星々のささやき』という本だった。

美月が


「この本は星座の神話についても詳しく書かれていて、

すごく面白いですよ」


と紹介すると、

拓海はその本を手に取り、

嬉しそうに眺めた。


「ありがとうございます、

美月さん。

星の話、

もっと聞かせてもらえますか？」



二人は本を手に、

図書館の隅にある読書スペースで対面して座り、

星座の話やお互いの好きな星について語り合った。

話が進むにつれ、

拓海は自分が以前住んでいた町で、

よく星を見ていたこと、

そして新しい環境での生活への不安と期待を、

美月に打ち明けた。



この偶然の出会いが、

二人の間に新たな友情の芽生えを告げるものとなった。

美月は拓海がただの転校生ではなく、

共通の趣味を持つ貴重な友人になるかもしれない、

と感じていた。

そして、

何よりも彼ともっと多くの時間を共有したい、

と願うようになっていた。