隣人同士の恋事情
「あっ、うめ」
目の前であたしの作ったオムライスをほお張っている、健全な高校生。
結局、奴には勝てず朝食を作る羽目になってしまった。
ありえなさすぎる…―
「じゃぁ帰るから。どうもお世話になりました」
最後は強みに、厭味っぽく言ってやった。
せめてもの、小さな抵抗。
「ああ、別に。じゃ、気をつけて大学いきなよー」
そう言って再度オムライスを口に運ぶ蓮。
ちょっと何様なのよ!?
今まで散々振り回してくれたくせに…っ!
そう思うものの、美味しそうにオムライスをほお張り続ける蓮を見て何も言えなくなったあたしは、そっと蓮の部屋を出た。