隣人同士の恋事情

一通り話し終えたあたしは目の前にある紅茶を一気に飲み干した。


ふと未来に視線をやると俯きながら拳を握り締め、肩がブルブルと震えていた。






ヤバイ!と思ったあたしは反射的にテーブルから身を乗り出し、未来が顔を上げたと同時に口をふさいだ。







「っんが!」






咄嗟の変な声に笑ってしまったあたし。その姿を見て未来は繭を顰める。







「ちょっと……急に何よ?」





ゆっくりと未来から手を離せば、いきなり文句のお言葉。


まぁ、普通はそうだよね(笑)










「だって未来、叫びそうだったんだもん。こんなファミレスで……恥ずかしいよ」





「だってムカツクじゃない!叫んで当たり前よ」









「でも、もう良いんだ。気付かなかったあたしが悪いんだよ」

















< 16 / 65 >

この作品をシェア

pagetop