隣人同士の恋事情
「何してんのよ……」
蓮のここまでの執着心に驚き、そして呆れた。
「メシ。作ってくれよな」
そう言って扉を大きく開け、中へと入る蓮。左足を痛そうにしながら、でも、それでも笑顔のまま。
断る言葉が……もう見つからない。
「簡単なのしか、出来ないからね」
あたしがポツリと呟くと「っしゃ!」と言って嬉しそうに笑った。
再び脈を打ち出すあたしの心臓。
本当……いったいどうしちゃったのよ……。
あたし、恋なんて……してないよね?