隣人同士の恋事情
どのくらいそうしていたか分からない。
頬に伝わった涙は乾き、今日のために用意したケーキはすでにぐちゃぐちゃ。
「あたしって……馬鹿みたい」
「ハハッ」と言う乾いた笑い声が響いた後、あたしは決心したように立ち上がり、近くにあったメモ用紙に最後のメッセージを書いた。
『今までありがとう。さようなら』
「……さよなら」
そう呟いたらまた涙が出てきたあたしは、軽くその涙を拭い、鞄を持って彼の部屋を出た。
鍵を閉め、1階までおりポストに鍵を入れる。
カチャンと鍵が落ちる音がした。
「ふふ、終わっちゃった……」