隣人同士の恋事情
もう1度出て来た涙を急いで拭い、マンションを出た。
「うっそ、雨……?」
外では雨がちょうど降り始めたところで、あたしは急いで自分のマンションへと向かった。
いつのまにか大降りになった雨は、あたしを冷たく濡らしてく。
走るたびに水溜りに足が入り、自分に弾かれる。
「最悪……」
もう、どうでも良い。
走ったって、走らなくったて、これだけ濡れたら一緒じゃない。
今日はついてないだけ。
そう思えば良いじゃない……。
そしてマンションまでの道のりを、あたしはゆっくりと歩き出した。