隣人同士の恋事情



「分かってるよっ。そうじゃなくて……」



「何?」




少し苛立った声のトーンに、
また泣きそうになる。





それに気付いた蓮が、少し焦った様子であたしの頭を撫でた。






「ご、ごめん!那美。怒ってないからさ。ちゃんと言って?」



さっきとは違う蓮の優しい声、表情。そして暖かい手に、あたしの意地は砕けた。



「…お……」



「お?」




「女の子……蓮の部屋……」




「女の子?俺の部屋?」





一瞬悩んだ蓮は、ハッとしたようにあたしの顔を見た。





「那美、お前……」






蓮のその言葉をきっかけに
ポロポロと涙が溢れ出す。






蓮……あたしは遊びだったの?









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