隣人同士の恋事情
「俺のこと、嫌い?」
「き、嫌いじゃないよ!」
「じゃぁ……好き?」
ドキッ…-
『好き』…何て、
簡単に言えないよ。
「……ごめん。早まらせるつりじゃなかったんだ。今の、忘れて?」
蓮はそう言って
あたしから離れ背を向ける。
…っ駄目…-!
このままじゃ、何も変わらない!
そう思ったあたしは、無意識に
後ろから蓮に抱きついていた。
「えっ、ちょっ…那美!?」
「蓮……。あ、あたし……あたしね…?」
一瞬焦っていた蓮も落ち着きを取り戻し、あたしの言葉に耳を傾ける。