隣人同士の恋事情
彼はそう言うと、あたしの腕を引っ張った。
「キャッ」
「うわっ、つめて。どんだけ雨に打たれてんだよ。風邪引くぜ、まじで」
彼は眉間にしわを寄せて、あたしにそう言うとあたしの肩を抱きながら歩きだした。
「ちょっ」
「心配すんなよ、変なことしねーし」
「そうじゃなくて……」
あたしの家……てゆーかマンション。今知り合ったばっかの彼が知ってるわけないし、どうすれば良いの……?
「えっと…その~……」
あー、何か頭がグラグラして来た……。
気持ち悪い、苦しい、頭痛い……。
「えっ、ちょっ、おいっ!」
彼の焦った声が聞こえたと同時に、あたしの意識はそこで途絶えた…-