【完結】きみを守るために、演じ切ってみせよう。
きみを守るために、演じ切ってみせよう。 1話
とある城で行われた、とあるパーティー。
貴族たちが優雅に微笑んで、世間話に花を咲かせているその会場で、王太子であるリンジーは自身の婚約者であるシャーロットではなく、男爵令嬢のローズマリーをエスコートして入場した。
ざわつく会場に冷たい視線を送り、遅れて入場してきたリンジーの婚約者、シャーロットは彼らを見ると一瞬傷ついたような表情を浮かべる。
「リンジー殿下、なぜ婚約者であるわたくしではなく、そちらの令嬢をエスコートしたのですか?」
「……それは、きみが一番よくわかっていることではないか?」
ローズマリーは勝ち誇ったような表情を見せた。
シャーロットはぎゅっと拳を握る。
彼女のことを、確かに知っていた。
アカデミーでは成績優秀で、いろんな人たちから注目を集めている男爵令嬢。
将来を約束された才女であると噂されるほど、彼女は賢く美しい。
そしてそれはすべて、彼女が自分で勝ち取ったものだと、リンジーもシャーロットも知っている。
「――シャーロット、きみとの婚約破棄を宣言する!」
「なぜですか、リンジー殿下!」
目を大きく見開き、今にも泣きそうな瞳で声を荒げる彼女に、リンジーは目を伏せてローズマリーの肩を抱いた。
それから、ゆっくりと深呼吸をして、シャーロットに視線を向ける。いや、睨んでいるといっても過言ではない。
「きみは南の大陸に行くことになった。今すぐに、この国から出ていきたまえ」
貴族たちが優雅に微笑んで、世間話に花を咲かせているその会場で、王太子であるリンジーは自身の婚約者であるシャーロットではなく、男爵令嬢のローズマリーをエスコートして入場した。
ざわつく会場に冷たい視線を送り、遅れて入場してきたリンジーの婚約者、シャーロットは彼らを見ると一瞬傷ついたような表情を浮かべる。
「リンジー殿下、なぜ婚約者であるわたくしではなく、そちらの令嬢をエスコートしたのですか?」
「……それは、きみが一番よくわかっていることではないか?」
ローズマリーは勝ち誇ったような表情を見せた。
シャーロットはぎゅっと拳を握る。
彼女のことを、確かに知っていた。
アカデミーでは成績優秀で、いろんな人たちから注目を集めている男爵令嬢。
将来を約束された才女であると噂されるほど、彼女は賢く美しい。
そしてそれはすべて、彼女が自分で勝ち取ったものだと、リンジーもシャーロットも知っている。
「――シャーロット、きみとの婚約破棄を宣言する!」
「なぜですか、リンジー殿下!」
目を大きく見開き、今にも泣きそうな瞳で声を荒げる彼女に、リンジーは目を伏せてローズマリーの肩を抱いた。
それから、ゆっくりと深呼吸をして、シャーロットに視線を向ける。いや、睨んでいるといっても過言ではない。
「きみは南の大陸に行くことになった。今すぐに、この国から出ていきたまえ」
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