【完結】きみを守るために、演じ切ってみせよう。
きみを守るために、演じ切ってみせよう。9話
シャーロットは小瓶を取り出し、リンジーに向けて優しく微笑む。その小瓶の蓋を開け、中身をぐっと飲み干した。
「やめろ、やめてくれ、シャーロット! 死ぬべきなのは俺であって、きみではない!」
「――いつかまた、巡りあいましょう……」
シャーロットが倒れるのと同時に、ギロチンの刃が落とされる。
その瞬間を見ていた人々は、王族や貴族を処刑することでこれまでの憂さを晴らしていたことに気付き、叫び出す。
自分たちが、あれほど嫌っていた王族と同じことをしていることを実感し、おかしくなったかのように叫ぶ。
のちに、このクーデターは『シャーロットの悲劇』と名付けられた。
◆◆◆
――この国には魔女がいる。
あの『シャーロットの悲劇』と名付けられた令嬢と同じ名前の魔女が。
魔女は国内を転々と歩き、拠点を変え、今日もただ……ひたすらになにかを待っている。
それは『シャーロットの悲劇』から三百年後のある日。
魔女の家を訪れたたったひとりの少年。
シャーロットは彼を見て、目を大きく見開いた。
「――リンジー……?」
「やぁ、シャーロット。ずいぶん、待たせてしまったようだね」
三百年前と容姿は違えども、それは確かに『リンジー』で、シャーロットは彼を見つめる。
この三百年で君主制から共和制と変わり、国は見違えるほど豊かになった。
様々なトラブルもあったが、国民たちが協力し合い、解決していく。
その様子を三百年……シャーロットはずっと見守っていた。
「やめろ、やめてくれ、シャーロット! 死ぬべきなのは俺であって、きみではない!」
「――いつかまた、巡りあいましょう……」
シャーロットが倒れるのと同時に、ギロチンの刃が落とされる。
その瞬間を見ていた人々は、王族や貴族を処刑することでこれまでの憂さを晴らしていたことに気付き、叫び出す。
自分たちが、あれほど嫌っていた王族と同じことをしていることを実感し、おかしくなったかのように叫ぶ。
のちに、このクーデターは『シャーロットの悲劇』と名付けられた。
◆◆◆
――この国には魔女がいる。
あの『シャーロットの悲劇』と名付けられた令嬢と同じ名前の魔女が。
魔女は国内を転々と歩き、拠点を変え、今日もただ……ひたすらになにかを待っている。
それは『シャーロットの悲劇』から三百年後のある日。
魔女の家を訪れたたったひとりの少年。
シャーロットは彼を見て、目を大きく見開いた。
「――リンジー……?」
「やぁ、シャーロット。ずいぶん、待たせてしまったようだね」
三百年前と容姿は違えども、それは確かに『リンジー』で、シャーロットは彼を見つめる。
この三百年で君主制から共和制と変わり、国は見違えるほど豊かになった。
様々なトラブルもあったが、国民たちが協力し合い、解決していく。
その様子を三百年……シャーロットはずっと見守っていた。