旦那さま、お会いできて光栄です~12年間放置された妻ですが、絶対に離縁はいたしません!
「そうかって、それだけですか?」
ダスティンやマルガレットが朴念仁と言っていた意味がわかってきたような気がする。
怒っているようではないのだが、それでも口を真っ直ぐに結んで、何を考えているのかがさっぱりわからない。
「アーネストさまは、わたしが嫌いですか? それとも他に好きな方がいらっしゃるんですか? でもそれって、リリーのことですよね。そうなれば、それってわたしのことですよね?」
息次ぐ間もなく、オレリアはぐいぐいとアーネストに迫る。アーネストはたじたじで、何かを言いかけて口を開くが、やっぱりまた閉じる。
「アーネストさま。何度も言いますけれども、わたしはアーネストさまと別れるつもりはありません。ですが、アーネストさまがわたしのことを嫌いで、顔を見たくないと言うのであれば、泣く泣くアーネストさまをあきらめます」
やっと観念したかのように、アーネストは大きく息を吐いた。
「先ほども言ったが、俺はお前より二十歳も年上だ。お前には、お前に相応しい男がいる」
「おりません。アーネストさま以上の男性なんて、おりません。アーネストさまは、そこまでしてわたしと別れたいのですか? わたしのことが嫌い?」
「嫌い、ではない」
「嫌いでないのであれば、何も問題はないですね。このまま、婚姻関係を続けるとしましょう。それに、さっきも離縁届は破いてしまいましたしね。まぁ、アーネストさまがいくら用意したとしても、わたしはあれにサインする気はありませんけれども」
ダスティンやマルガレットが朴念仁と言っていた意味がわかってきたような気がする。
怒っているようではないのだが、それでも口を真っ直ぐに結んで、何を考えているのかがさっぱりわからない。
「アーネストさまは、わたしが嫌いですか? それとも他に好きな方がいらっしゃるんですか? でもそれって、リリーのことですよね。そうなれば、それってわたしのことですよね?」
息次ぐ間もなく、オレリアはぐいぐいとアーネストに迫る。アーネストはたじたじで、何かを言いかけて口を開くが、やっぱりまた閉じる。
「アーネストさま。何度も言いますけれども、わたしはアーネストさまと別れるつもりはありません。ですが、アーネストさまがわたしのことを嫌いで、顔を見たくないと言うのであれば、泣く泣くアーネストさまをあきらめます」
やっと観念したかのように、アーネストは大きく息を吐いた。
「先ほども言ったが、俺はお前より二十歳も年上だ。お前には、お前に相応しい男がいる」
「おりません。アーネストさま以上の男性なんて、おりません。アーネストさまは、そこまでしてわたしと別れたいのですか? わたしのことが嫌い?」
「嫌い、ではない」
「嫌いでないのであれば、何も問題はないですね。このまま、婚姻関係を続けるとしましょう。それに、さっきも離縁届は破いてしまいましたしね。まぁ、アーネストさまがいくら用意したとしても、わたしはあれにサインする気はありませんけれども」