旦那さま、お会いできて光栄です~12年間放置された妻ですが、絶対に離縁はいたしません!
「え? これって、わたしが……」
これは確か、オレリアが十年前に書いた手紙だ。当時、十歳のオレリアがアーネストに向けて書いたもの。宛名と日付がそれを示している。
「ね? このおっさん。若奥様からの手紙を、後生大事にとっておいたわけですよ」
「お前は黙ってろ。それよりも、ここから出ていけ」
アーネストがジョアンの背を押して、部屋から追い出した。すかさず扉に鍵をかける。
オレリアは手にした手紙のうちのもう一通に素早く視線を走らせた。
『オレリアへ
十歳の誕生日おめでとう
こちらはまだ慌ただしく、当分、そちらへ戻れそうにない――』
トクンと胸が音を立てた。
「アーネストさま?」
いつの間にかアーネストはオレリアの背後に立ち、後ろから手紙をのぞき込んでいた。
「それは、オレリアの十歳の誕生日のときに書いた返事だ」
「お返事? わたし、お返事は一通ももらっておりません」
「そうだな。出してないからな」
そのようなことを自信満々で言われても。
これは確か、オレリアが十年前に書いた手紙だ。当時、十歳のオレリアがアーネストに向けて書いたもの。宛名と日付がそれを示している。
「ね? このおっさん。若奥様からの手紙を、後生大事にとっておいたわけですよ」
「お前は黙ってろ。それよりも、ここから出ていけ」
アーネストがジョアンの背を押して、部屋から追い出した。すかさず扉に鍵をかける。
オレリアは手にした手紙のうちのもう一通に素早く視線を走らせた。
『オレリアへ
十歳の誕生日おめでとう
こちらはまだ慌ただしく、当分、そちらへ戻れそうにない――』
トクンと胸が音を立てた。
「アーネストさま?」
いつの間にかアーネストはオレリアの背後に立ち、後ろから手紙をのぞき込んでいた。
「それは、オレリアの十歳の誕生日のときに書いた返事だ」
「お返事? わたし、お返事は一通ももらっておりません」
「そうだな。出してないからな」
そのようなことを自信満々で言われても。