旦那さま、お会いできて光栄です~12年間放置された妻ですが、絶対に離縁はいたしません!
すぐにメーラが寝間着の背中側をめくると、顔をしかめた。
「こんなに、ひどいことを……」
メーラも悔しそうに唇を噛みしめる。
「オレリア様。すぐに気がつかずに申し訳ありません」
ぶんぶんと首を左右に振ると、その勢いによって目尻にたまった涙が溢れそうになった。その涙が痛みからくるものなのか、メーラの優しさからくるものなのか、わからない。
喉の奥がツンと痛くなる。
「お薬を塗りましょうね」
メーラは一度部屋を出て、どこからか軟膏の入った瓶を持ってきた。それを背の傷のある場所に、たっぷりと塗られる。
オレリアの背にできた傷は、鞭によって打たれたもの。そしてオレリアを鞭で叩くのは、教育係のプレール侯爵夫人。
「オレリア様、お労しや……」
悲しみが滲みでる声色で、メーラは呟く。
「わたしの覚えが悪いから……」
だからプレール夫人は、鞭でたたくのだ。彼女はいつも「こんな簡単な問題も解けないのですか!」「ミレイア様は、オレリア様と同じ年で、五ヶ国語は話しておりましたよ」「作法がなっておりません」と、オレリアを咎めるような言い方をして、鞭をしならせる。
いつもであれば、それも二、三発で終わり、皮膚に腫れが走る程度であるのに、昨日はプレール侯爵夫人の虫の居所が悪かったのか、皮膚がすり切れるまでたたかれた。
「こんなに、ひどいことを……」
メーラも悔しそうに唇を噛みしめる。
「オレリア様。すぐに気がつかずに申し訳ありません」
ぶんぶんと首を左右に振ると、その勢いによって目尻にたまった涙が溢れそうになった。その涙が痛みからくるものなのか、メーラの優しさからくるものなのか、わからない。
喉の奥がツンと痛くなる。
「お薬を塗りましょうね」
メーラは一度部屋を出て、どこからか軟膏の入った瓶を持ってきた。それを背の傷のある場所に、たっぷりと塗られる。
オレリアの背にできた傷は、鞭によって打たれたもの。そしてオレリアを鞭で叩くのは、教育係のプレール侯爵夫人。
「オレリア様、お労しや……」
悲しみが滲みでる声色で、メーラは呟く。
「わたしの覚えが悪いから……」
だからプレール夫人は、鞭でたたくのだ。彼女はいつも「こんな簡単な問題も解けないのですか!」「ミレイア様は、オレリア様と同じ年で、五ヶ国語は話しておりましたよ」「作法がなっておりません」と、オレリアを咎めるような言い方をして、鞭をしならせる。
いつもであれば、それも二、三発で終わり、皮膚に腫れが走る程度であるのに、昨日はプレール侯爵夫人の虫の居所が悪かったのか、皮膚がすり切れるまでたたかれた。