旦那さま、お会いできて光栄です~12年間放置された妻ですが、絶対に離縁はいたしません!
「閣下。おやつの時間です」
「呼んでない」
「え? そろそろ仲直りしたかなって、ね? 奥様」
ジョアンである。彼はアーネストの肩越しに、部屋の真ん中で背筋を伸ばして座っているオレリアを見た。
「奥様。喉が渇きましたよね。ね、ね、ね?」
「それだけ預かる」
アーネストはジョアンからティーワゴンだけを預かって、また彼を部屋の外に追いやった。
『閣下~』
扉越しにジョアンの情けない声が聞こえてきたが、無視をする。しばらくすると、向こう側も静かになったから、あきらめて戻っていったのだろう。
アーネストがお茶を淹れようとすると、オレリアが慌てて手を出してきた。自分がやるとでも言いたげのようだが、それを制した。
「いいから、座ってろ」
そわそわと落ち着かない様子で、オレリアは言われるがまま座っている。
「俺だって、お茶くらい淹れられる」
その言葉で、彼女が微笑んだように見えた。
彼女の前にお茶とお菓子を並べると、彼女の隣に座った。
ジョアンが用意したお菓子はクッキーである。これなら、仕事の合間にもつまめるとアーネストが言っていたのを覚えているのだ。こういうところは気が利く男であるが、いかんせん、アーネストをいじって楽しんでいる傾向もある。
「呼んでない」
「え? そろそろ仲直りしたかなって、ね? 奥様」
ジョアンである。彼はアーネストの肩越しに、部屋の真ん中で背筋を伸ばして座っているオレリアを見た。
「奥様。喉が渇きましたよね。ね、ね、ね?」
「それだけ預かる」
アーネストはジョアンからティーワゴンだけを預かって、また彼を部屋の外に追いやった。
『閣下~』
扉越しにジョアンの情けない声が聞こえてきたが、無視をする。しばらくすると、向こう側も静かになったから、あきらめて戻っていったのだろう。
アーネストがお茶を淹れようとすると、オレリアが慌てて手を出してきた。自分がやるとでも言いたげのようだが、それを制した。
「いいから、座ってろ」
そわそわと落ち着かない様子で、オレリアは言われるがまま座っている。
「俺だって、お茶くらい淹れられる」
その言葉で、彼女が微笑んだように見えた。
彼女の前にお茶とお菓子を並べると、彼女の隣に座った。
ジョアンが用意したお菓子はクッキーである。これなら、仕事の合間にもつまめるとアーネストが言っていたのを覚えているのだ。こういうところは気が利く男であるが、いかんせん、アーネストをいじって楽しんでいる傾向もある。