旦那さま、お会いできて光栄です~12年間放置された妻ですが、絶対に離縁はいたしません!
「ミレイアお姉様は、私と同じ年で、五カ国語もお話になられたそうよ?」
背に薬を塗る、メーラの手がほんの少しだけ止まった。だが、すぐに動きは再開される。
「オレリア様はまだ八歳です。できないもののほうが多くて当たり前です」
「ううん。それでは駄目なのですって。わたしは、この国の……だから……」
こんな小屋に押し込められても、身分はかわらない。
プレール侯爵夫人が口うるさく言っている。身分に応じた振る舞いを、と。
「そうです。本来であれば、オレリア様はこのような場所にいるお方ではないのです」
外を見つめるメーラの視線の先にあるのは、朝日によって輝く王城である。
「メーラ……」
「さあさあ、オレリア様。お食事にしましょう」
幸いにも食材は届けてもらえる。それに、小屋の裏に小さな畑を耕して、芋類を育てていた。たまに悪天候などで食材が届かない日もあるが、そのようなときは、蓄えていた芋をふかして食べる。この芋が意外と美味しい。
朝食を終えると、オレリアは外に出て畑や花壇の世話をする。
それから王城の付属棟にある一室で授業を受ける。付属棟に行くために迎えなんてはこない。オレリアはメーラに付き添われて付属棟へと向かうが、メーラは中に入れない。
そこでオレリアはプレール侯爵夫人からみっちりと教育を受けるのだ。
日が大きく傾き、影が長くなるような時間になってから解放される。小屋に戻るときはメーラが迎えにくるときもあるが、他の仕事が忙しく手が離せないときは、オレリアは一人で帰る。
背に薬を塗る、メーラの手がほんの少しだけ止まった。だが、すぐに動きは再開される。
「オレリア様はまだ八歳です。できないもののほうが多くて当たり前です」
「ううん。それでは駄目なのですって。わたしは、この国の……だから……」
こんな小屋に押し込められても、身分はかわらない。
プレール侯爵夫人が口うるさく言っている。身分に応じた振る舞いを、と。
「そうです。本来であれば、オレリア様はこのような場所にいるお方ではないのです」
外を見つめるメーラの視線の先にあるのは、朝日によって輝く王城である。
「メーラ……」
「さあさあ、オレリア様。お食事にしましょう」
幸いにも食材は届けてもらえる。それに、小屋の裏に小さな畑を耕して、芋類を育てていた。たまに悪天候などで食材が届かない日もあるが、そのようなときは、蓄えていた芋をふかして食べる。この芋が意外と美味しい。
朝食を終えると、オレリアは外に出て畑や花壇の世話をする。
それから王城の付属棟にある一室で授業を受ける。付属棟に行くために迎えなんてはこない。オレリアはメーラに付き添われて付属棟へと向かうが、メーラは中に入れない。
そこでオレリアはプレール侯爵夫人からみっちりと教育を受けるのだ。
日が大きく傾き、影が長くなるような時間になってから解放される。小屋に戻るときはメーラが迎えにくるときもあるが、他の仕事が忙しく手が離せないときは、オレリアは一人で帰る。