旦那さま、お会いできて光栄です~12年間放置された妻ですが、絶対に離縁はいたしません!
第二十四話
オレリアが選んだのは菫青石の指輪である。女性店員が意味ありげにニコリと微笑んだが、アーネストは無表情で答えた。しかし、店員の言いたいことは理解しているし、色恋沙汰に疎いアーネストでさえも、彼女がそれを選んだ意味をなんとなくわかっている。いや、そうであると思いたい。
「その指輪も直してもらうか?」
アーネストは、オレリアが首からさげている指輪に視線を向けた。
「いえ、これはこのままで……」
彼女は指輪を握りしめて、アーネストの提案を断った。彼女なりに思う何かがあるのだろう。それ以上、追求するつもりもなかった。
今日頼んだ指輪は、加工してサイズを合わせるから十日ほどかかるようだ。十日後、また二人でここに来る約束をする。
「そろそろ、お腹が空かないか?」
店を出たところでアーネストが声をかけると、オレリアも「そうですね」と答える。
時間はちょうどお昼を過ぎたころ。太陽が真上にあがり、短い影を作っていることからも判断できる。
「あそこの食堂ですか?」
「そうだな。だが今日は、あそこではなく、別の場所で食べないか?」
ガイロにはいくつか食事をする場所がある。
誰もが利用でき、一日中開いている大きな食堂は、国も資金を出しているため安く食事をすることができる。
そのほかにも、特別なときに利用するようなレストランも何店かあった。
「はい」
「その指輪も直してもらうか?」
アーネストは、オレリアが首からさげている指輪に視線を向けた。
「いえ、これはこのままで……」
彼女は指輪を握りしめて、アーネストの提案を断った。彼女なりに思う何かがあるのだろう。それ以上、追求するつもりもなかった。
今日頼んだ指輪は、加工してサイズを合わせるから十日ほどかかるようだ。十日後、また二人でここに来る約束をする。
「そろそろ、お腹が空かないか?」
店を出たところでアーネストが声をかけると、オレリアも「そうですね」と答える。
時間はちょうどお昼を過ぎたころ。太陽が真上にあがり、短い影を作っていることからも判断できる。
「あそこの食堂ですか?」
「そうだな。だが今日は、あそこではなく、別の場所で食べないか?」
ガイロにはいくつか食事をする場所がある。
誰もが利用でき、一日中開いている大きな食堂は、国も資金を出しているため安く食事をすることができる。
そのほかにも、特別なときに利用するようなレストランも何店かあった。
「はい」