旦那さま、お会いできて光栄です~12年間放置された妻ですが、絶対に離縁はいたしません!
王城の敷地内であるしオレリアを襲うような者もいないだろう、というのが関係者の考えらしい。いや、オレリアであれば襲われてもいいと思っているにちがいない。
昨日はじくじくと背中が痛んでいるなか、一人で帰ってきたからメーラに気づかれなかった。
近頃、城内がなんとなくピリピリしているのを、幼いながらオレリアも感じ取っていた。兵士の数が多いとか文官が慌ただしく行き交っているとか。
プレール侯爵夫人も、蛮族がどうのこうのと、授業の合間にぼやく。
大陸には大小合わせて六つの国があり、その中でももっとも権力が強いのがトラゴス大国である。そして二年前、この大陸に七つ目の国ができた。どこの国にも属していなかった部族が手を結び、一つの国を形成したのだ。それがハバリー国である。
それらが少数の部族のままであれば、トラゴス大国だってこれほどまでに反応しなかった。だが、小さなものが集まって大きくなれば、それなりに驚異となる。
トラゴス大国以外の五つの国は、いつの間にかハバリー国と友好的な協定を取り付けていた。十以上の部族からなるあの国はまだ統一性がないものの、さまざまな文化をまとめた国は非常に興味深く、大陸にとっても新しい風を吹かせる国となるだろう。というのが、諸国の考えだった。
ハバリー国はこれ幸いに、協定を結んだ諸国に教えを乞い、日に日に成長を見せている。
しかし、所詮は野蛮の塊である。大陸の中でもっとも歴史の長いトラゴス大国から見れば、嫌悪の対象ともなる。それでも諸国がハバリー国を認めている以上、トラゴス大国も歩み寄らなければならない。
と、プレール侯爵夫人が、忌々しそうに教えてくれたのだ。
近頃、プレール侯爵夫人の機嫌が悪いのは、このハバリー国に原因があるようだ。
昨日はじくじくと背中が痛んでいるなか、一人で帰ってきたからメーラに気づかれなかった。
近頃、城内がなんとなくピリピリしているのを、幼いながらオレリアも感じ取っていた。兵士の数が多いとか文官が慌ただしく行き交っているとか。
プレール侯爵夫人も、蛮族がどうのこうのと、授業の合間にぼやく。
大陸には大小合わせて六つの国があり、その中でももっとも権力が強いのがトラゴス大国である。そして二年前、この大陸に七つ目の国ができた。どこの国にも属していなかった部族が手を結び、一つの国を形成したのだ。それがハバリー国である。
それらが少数の部族のままであれば、トラゴス大国だってこれほどまでに反応しなかった。だが、小さなものが集まって大きくなれば、それなりに驚異となる。
トラゴス大国以外の五つの国は、いつの間にかハバリー国と友好的な協定を取り付けていた。十以上の部族からなるあの国はまだ統一性がないものの、さまざまな文化をまとめた国は非常に興味深く、大陸にとっても新しい風を吹かせる国となるだろう。というのが、諸国の考えだった。
ハバリー国はこれ幸いに、協定を結んだ諸国に教えを乞い、日に日に成長を見せている。
しかし、所詮は野蛮の塊である。大陸の中でもっとも歴史の長いトラゴス大国から見れば、嫌悪の対象ともなる。それでも諸国がハバリー国を認めている以上、トラゴス大国も歩み寄らなければならない。
と、プレール侯爵夫人が、忌々しそうに教えてくれたのだ。
近頃、プレール侯爵夫人の機嫌が悪いのは、このハバリー国に原因があるようだ。