旦那さま、お会いできて光栄です~12年間放置された妻ですが、絶対に離縁はいたしません!
何を? と言いたげに、オレリアは目を大きく見開く。
「お前の十八歳の誕生日に、俺はここに戻ってきたんだ。お前の成人を、少しでも祝いたくて」
さらに大きく、オレリアの碧眼が開かれる。
「え? わたし、全然知りませんでした。戻ってきたなら、声をかけてくださればよかったのに」
「十八歳になったオレリアが誰よりも輝いて見えて、俺は……お前にふさわしくないと思った。俺とお前では二十歳も年が離れているからな。お前はこれからの人生、花開く。だけど俺は枯れるだけの人生だって。それに、早馬で戻ってきたから、身なりもぼろぼろだった。お前を一目見て、俺はすぐにガイロに戻った」
そう言って苦笑するアーネストの目尻には、しわが寄る。だけど、オレリアはこのしわが好きだった。誰よりもやわらかな表情になる。
「知っていますか?」
すっぽりとアーネストに包まれているオレリアであるが、彼の手を捕まえた。
「シーニー国は花の国です。花が咲き、枯れた後には種ができるんです」
オレリアは、彼の手を自身の腹部へと導いた。彼の大きな手のひらから伝わる熱が、じんわりと心地よい。
「ま、まさか?」
眠気もすっかりと吹っ飛んだかのように、鉄紺の瞳が大きく開いた。
「はい。昨日、医師にみてもらったところ、三か月目に入ったとのことでした。昨日、アーネストさまにお伝えしようと思っていたのですが、帰りが遅かったようで……ごめんなさい。先に、眠ってしまいました」
「お前の十八歳の誕生日に、俺はここに戻ってきたんだ。お前の成人を、少しでも祝いたくて」
さらに大きく、オレリアの碧眼が開かれる。
「え? わたし、全然知りませんでした。戻ってきたなら、声をかけてくださればよかったのに」
「十八歳になったオレリアが誰よりも輝いて見えて、俺は……お前にふさわしくないと思った。俺とお前では二十歳も年が離れているからな。お前はこれからの人生、花開く。だけど俺は枯れるだけの人生だって。それに、早馬で戻ってきたから、身なりもぼろぼろだった。お前を一目見て、俺はすぐにガイロに戻った」
そう言って苦笑するアーネストの目尻には、しわが寄る。だけど、オレリアはこのしわが好きだった。誰よりもやわらかな表情になる。
「知っていますか?」
すっぽりとアーネストに包まれているオレリアであるが、彼の手を捕まえた。
「シーニー国は花の国です。花が咲き、枯れた後には種ができるんです」
オレリアは、彼の手を自身の腹部へと導いた。彼の大きな手のひらから伝わる熱が、じんわりと心地よい。
「ま、まさか?」
眠気もすっかりと吹っ飛んだかのように、鉄紺の瞳が大きく開いた。
「はい。昨日、医師にみてもらったところ、三か月目に入ったとのことでした。昨日、アーネストさまにお伝えしようと思っていたのですが、帰りが遅かったようで……ごめんなさい。先に、眠ってしまいました」