旦那さま、お会いできて光栄です~12年間放置された妻ですが、絶対に離縁はいたしません!
 みるみるうちに、アーネストの顔は赤くなる。
「まあ、そういうことだ」
 逃げるかのように寝台からするっと出ていったアーネストは、着替えるために部屋を出ていく。
 オレリアも彼の後を追うかのようにして寝台から下りて、昨夜、アーネストが使っていた机に足を向けた。机の上に何かが置かれているのが、遠目でもわかったからだ。
 そこには、一文字、一文字、丁寧に書かれた手紙があった。
 トクンとオレリアの胸が音を立てる。
 ――結婚してください。
 オレリアは、その場で泣き崩れた。

【完】




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