旦那さま、お会いできて光栄です~12年間放置された妻ですが、絶対に離縁はいたしません!
だけどある年、大干ばつによってその花のほとんどが枯れてしまったのだ。花を売って金を作っていた国から花が消えたら、その生活は貧しいものになる。
そんなシーニー国はトラゴス大国から援助を受けたいがために、王女を差し出した。オレリアの母親は、美姫として大陸内に知れ渡っており、トラゴス国王もまんざらではなかった。
嫁いですぐに、国王は側妃と共に何日も寝室にこもったという噂すらある。その結果、生まれたのがオレリアなのだ。
しかしオレリアを身ごもってから、国王はオレリアの母親に興ざめしたらしい。懐妊がわかった途端、母親を離宮へと追いやった。そしてオレリアの母親が亡くなると、今度はオレリアをあのちっぽけな小屋へと追い出したのだ。
それでもオレリアは王女。必要最小限の教養は必要だろうとのことで、プレール侯爵夫人が教育係としてつけられた。プレール侯爵夫人は、王妃の遠縁とも聞いたことがある。
「先ほどの挨拶を見ても、所作は申し分ないだろう。きっとクワイン将軍もお前を気に入るはずだ」
それはどうだろうか。
何よりもオレリアはまだ八歳である。しかも、十分な食事を与えてもらえているとは言えない。使用人の同じ年の子どもたちよりも、貧相な体つきをしているだろう。
そんな子どもが嫁いだら、クワイン将軍だっていい迷惑だろうに。
だけどそれを発言することなどオレリアには許されていないし、この縁談を断れる力もない。ただ、国王の言葉に従うのみ。
「ですから、オレリア」
猫なで声を出す王妃は不快である。王妃は、オレリアの母親とはまったく似ていない。丸い顔も、ふくよかな身体も、オレリアの母親とは正反対の姿である。
そんなシーニー国はトラゴス大国から援助を受けたいがために、王女を差し出した。オレリアの母親は、美姫として大陸内に知れ渡っており、トラゴス国王もまんざらではなかった。
嫁いですぐに、国王は側妃と共に何日も寝室にこもったという噂すらある。その結果、生まれたのがオレリアなのだ。
しかしオレリアを身ごもってから、国王はオレリアの母親に興ざめしたらしい。懐妊がわかった途端、母親を離宮へと追いやった。そしてオレリアの母親が亡くなると、今度はオレリアをあのちっぽけな小屋へと追い出したのだ。
それでもオレリアは王女。必要最小限の教養は必要だろうとのことで、プレール侯爵夫人が教育係としてつけられた。プレール侯爵夫人は、王妃の遠縁とも聞いたことがある。
「先ほどの挨拶を見ても、所作は申し分ないだろう。きっとクワイン将軍もお前を気に入るはずだ」
それはどうだろうか。
何よりもオレリアはまだ八歳である。しかも、十分な食事を与えてもらえているとは言えない。使用人の同じ年の子どもたちよりも、貧相な体つきをしているだろう。
そんな子どもが嫁いだら、クワイン将軍だっていい迷惑だろうに。
だけどそれを発言することなどオレリアには許されていないし、この縁談を断れる力もない。ただ、国王の言葉に従うのみ。
「ですから、オレリア」
猫なで声を出す王妃は不快である。王妃は、オレリアの母親とはまったく似ていない。丸い顔も、ふくよかな身体も、オレリアの母親とは正反対の姿である。